藤原興風(ふじわらのおきかぜ)
小倉百人一首 034番
(上)
誰をかも 知る人にせむ 高砂の
(下)
松も昔の 友ならなくに
▼音声
読み
たれをかも しるひとにせむ たかさごの
まつもむかしの ともならなくに
現代語訳
昔からの友人は、誰も彼も亡くなってしまった。
高砂の松は、昔から知ってはいるが友人とは呼べないからね。
解釈
自分の人生を振り返る歌
作者とプロフィール
名前:藤原興風(ふじわらのおきかぜ)
性別:男性
生没年:不詳
藤原浜成の曾孫で藤原道成の子。
歌人だけでなく、弾琴の名手で師でもあります。
雑学・豆知識
高砂とは、現在の兵庫県高砂市から加古川市あたりの海岸のことです。
高砂に生える松は長寿とされていました。
しかし現在では、工場地帯になっており松はありません。
この歌が詠まれた時代は、無常観というものがなく、老いの為の悲しさを現した歌ではないとされています。