紀友則(きのとものり)
小倉百人一首 033番
(上)
ひさかたの 光のどけき 春の日に
(下)
静心なく 花の散るらむ
▼音声
読み
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに
しずこころなく はなのちるらむ
現代語訳
光がのどかに降り注ぐ春の日に、桜は落ち着いた静かな心は持ち合わせてはおらず、散り急いでいる。
解釈
桜が散る春の歌。
作者とプロフィール
名前:紀友則(きのとものり)
性別:男性
生没年:?~905年
紀有朋の子で、紀貫之の従兄弟にあたります。
「古今和歌集」の選者でしたが、完成する前に亡くなりました。
雑学・豆知識
歌中の『静心なく』は、花と作者に当てはまる言葉になります。
花が散る事で静かな心が持てない作者と、静かな心がないために散ってしまう桜という、2つの意味をもっています。
意味だけでなく、言葉の調べの美しさにも定評がある歌です。