坂上是則(さかのうえのこれのり)
小倉百人一首 031番
(上)
朝ぼらけ 有明の月と みるまでに
(下)
吉野の里に ふれる白雪
▼音声
読み
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに
よしののさとに ふれるしらゆき
現代語訳
夜が明ける頃に、有明の月かと思うほど明るく感じるのは、月光と見まごうほど吉野の里に振っている白雪のせいだろうか。
解釈
雪のもつ寒さや静けさをえがいた冬の歌
作者とプロフィール
名前:坂上是則(さかのうえのこれのり)
性別:男性
生没年:不詳
坂上田村麻呂の子孫で、和歌の行事には、殆ど出席をしたという、有名な歌人です。
また、蹴鞠の名手であり、褒美に絹を賜ったという経歴もあります。
雑学・豆知識
坂上是則が役人として吉野に出かけた際に、宇多天皇に雪の美しさを伝えようと詠った歌だといわれています。
当時の都人は、吉野にとても寒いというイメージをもっていたようで、吉野と雪を取り上げた歌は数多く残されています。