後鳥羽院(ごとばのいん)
小倉百人一首 099番
(上)
人も惜し 人も恨めし あぢきなく
(下)
世を思ふゆゑに 物思ふ身は
▼音声
読み
ひともおし ひともうらめし あじきなく
よをおもうゆえに ものおもうみは
現代語訳
人のことをいとおしく感じるときもあるし、恨めしく感じるときもある。
世の中を面白くないと考える私にとっては。
解釈
人間に対する愛憎が交差する思いを伝えた歌
作者とプロフィール
名前:後鳥羽院(ごとばのいん)
性別:男性
生没年:1180~1239年
82代天皇で、怨霊の噂の為、顕徳院から後鳥羽院に改名しました。
和歌所を再興させて、「新古今和歌集」を撰上させたり、「千五百番歌合」など大規模な歌会を催して、和歌を盛んにさせる行動に取り組みました。
また、和歌以外にも、武芸、笛、蹴鞠、水泳、相撲、琵琶、有職故実、流鏑馬、競馬、犬追物、鷹狩、囲碁、双六など、実に多数の趣味に取り組んでいたようです。
雑学・豆知識
百人一首の原型の「百人秀歌」には、実はこの歌は記載されておらず、後から手を加えて入れられたものだといわれています。
承久の乱でやぶれた後鳥羽院が島流しにされた隠岐の島